薪火と暮らしのエッセイ

【道具】愛用のチェーンソーとお別れしました

私は工作を好きになってから道具へのこだわりや愛情が増しました。

例えばそれが100円のハサミだとしても、切れなくなったら研ぎ、ハサミとしての機能を持ち続ける限り大事に使います。

「使い捨ての様なものは道具として認めない」

と言った棟梁がいました。

それほどまでに熱意があるわけではありませんが、自分で直せるなら出来る限りは手入れしていきたいのです。

この気持ちはもちろん自分の使用しているチェーンソーでも同じです。常に自分の手で管理していました。購入した店の店主からも、

「あなただけの手で手入れしなさい。人に貸せば大事に使える人はあまり居ない。」

と言われ、責任を持って管理していました。

我が家では様々な道具を家族でシェアして使っています。

自分の仕事道具は誰にも使わせませんが、ガーデニング用品や草刈り機械などはシェアしています。

しかし、チェーンソーは自分で管理しようと思っていたので家族には触らせませんでした。特に父は道具を大事に使うような人ではなく、後片付けもできない人なのですぐに物を失くします。失くしては買い、失くしては買いを繰り返し、我が家にはスコップが20本ほどあります。そんな父を信用できるはずもなかったので、絶対にチェーンソーは使わせませんでした。

 

ある日チェーンソーが泥だらけで家に置いておりました。

 

聞くところによると、原木が大量にあるけれどチェーンソーがないという知人に父が貸したそうです。私の知らない所で、どんな風に使ったのか分かりませんが酷く汚れて返ってきました。

私は激怒し、やり場のない怒りを抑えるのに必死でした。抑えきれていなかったと思います。確か何かしら破壊していました。(恐ろしい)

父は家にある物は全て自分の物だと勘違いしていて、好き勝手に使ってしまうのです。それ以来二度と使わないと約束をしました。

 

 

しかし、先日、朝5時にチェーンソーの音で目が覚めました。

 

 

エンジン音は機械によって少し癖があります。まさしく私の愛用しているチェーンソーでした。

私はその瞬間、父に譲ろうと思いました。

別に壊れたわけでも、使い方が悪いわけでもありません。

ただ、私の大事な想いを踏み躙られた気持ちになりました。父は私の道具への想いを軽視しているのです。

私専用のチェーンソーを再び購入したいと思います。父に内緒で購入し、隠しておこうかなと。チェーンソー選びは薪作りをメインにすれば限られてきますが、今までは共立、新ダイワを使用してきたのでこれを機に海外産も検討したいと思います。

 

 

 

HACHI