YouTubeで数十万再生している薪ストーブの話でも、
「針葉樹を焚いてはいけない」
と説明されている事に驚愕しています。針葉樹を焚いてはいけない理由を考えてみると、
- 火力が強いためストーブが高温になり過ぎる
- マツなどの脂が多い樹種は煙突詰まりの原因になる
などが挙げられます。しかし、上記の理由は一次燃焼式の薪ストーブや、断熱されていない煙突に限られます。
現在、広く流入している二次燃焼式薪ストーブで針葉樹を焚いてはいけないなどという話は聞いたことがありません。マツに関しても、しっかりと乾燥させたマツならば上質なメインの薪になる事でしょう。薪ストーブ屋さんさえもマツの薪をお勧めしています。マツは比較的手に入りやすく、さらに安価です。火持も良く、私は真冬でもカラマツを愛用しています。
一次燃焼式のストーブは主に小屋やキャンプで使用している方が見られます。素材もステンレスの薄い鉄板などで、薪を入れ過ぎると本体が高熱になり真っ赤になります。この場合は針葉樹を焚いてはいけないというよりも、薪を一度に入れすぎていると考えられます。薪は熾になるまで熱を放射し続けるので、まだ炎が出ているうちに薪を焚べるのは理想的ではありません。熾がなくなるくらいでちょうど良いと思います。このペース配分ができていればストーブが高温になりすぎて変形したりする事を防ぐことができます。
薪ストーブの性能ばかりを気にしていて煙突の重要性を忘れてはいけません。
煙突は外気の影響を受けやすく、断熱されていない煙突は煤が溜まりやすいです。水蒸気になって煙が排出される際に、冷えた脂が煙突に付着し、毎日使用していれば確実に溜まってしまいます。
針葉樹や広葉樹、樹種関係なく、煤が溜まります。しっかりと薪を乾燥させてあっても年に一度の煙突掃除は必須です。
私が昔、薪でお湯を沸かしていた時に使用していたボイラーの煙突はシングルの物だったのですが、年に3回は掃除していました。
煙突はシングルより二重構造を選ぶと、外気からの影響を減らすことができます。
さらにストーブが二次燃焼式であれば年に一回の掃除で十分だと思います。
私がいつもやっている焚き方は、初めに針葉樹で炉内の温度を上げ、温度が上がったら広葉樹を焚べて火力を安定させる方法です。針葉樹は火付きが良く、着火の失敗が少ないので優秀です。主にスギやマツを使用しています。広葉樹は火持ちが良く、火力が安定します。主にケヤキを焚いています。
どんな薪でも、焚べるペースが早かったり、乾燥していなかったりすれば、ストーブ本体や煙突に負担をかけてしまいます。正しい使い方で、いろんな薪を焚いていきましょう。