雨を嫌って薪を濡らさない人と、
雨を好んで薪を濡らす人がいます。
どちらにも理由があり、意図的にそうするんだと思います。
私はできれば濡らしたくない人です。しかし、私の薪作りの過程において雨は避けられません。仕方なく濡らしてるって感じです。
木は樹種によって水に強かったり弱かったりします。水とは無縁な屋根の下では木の寿命は人間よりも長いと思いますが、水に触れると少なからず寿命は短くなります。
材料で例えると、ウッドデッキに使われるウリンやイペなどの木は水に強いため雨晒しでも腐りにくいとされています。それに比べて杉は赤身こそ腐りにくいですが、辺材は三年も雨晒しにしていれば腐れる場合が多いと思います。
特に梅雨時期の長雨には注意が必要なので、簡単な屋根でも良いので対策をしましょう。
一番良いのは梅雨前にある程度乾いたら、通気性の良い屋根付きの薪棚に移動する事です。ただ、薪棚に3列も保管する場合は、しっかり乾いていないと中央の薪にカビが生えるので注意しましょう。できるだけ2列、もしくは含水率の非常に少ない薪を重ねて保管するように心がけてください。
木は切られ、倒された後も呼吸をしており、雨に当たると栄養が入ってきたと勘違いして水分の循環を行い、木口より水分を蒸発させると言われています。夏場に伐採された木で薪を作る場合には倒木してからしばらくの期間雨に当てる方もいらっしゃいますが、これも同じ理由で少しでも木に呼吸をさせて葉や木口より水を蒸発させるためと考えられます。
雨に当てて乾燥させる場合には注意事項を知っていた方が良い薪を作れます。
- 梅雨前には屋根をかける
- 地面に直に置かない
- 常に見える場所に置く
梅雨前、梅雨時期には必ず屋根をかけましょう。長い雨に打たれている時は薪の水分を蒸発することができないのでヌメリやキノコが発生します。キノコは薪の栄養を吸い取ってしまうので、結果薪が腐ってしまいます。
地面に直接置くと、触れた部分が乾きにくいばかりか、土に栄養を吸収され腐葉土みたいになってしまいます。重ねた薪全体にも影響し、雨に打たれて流れるはずの水が滞り、薪全体が水を吸ってしまいます。高さを確保し重ねれば水の逃げ場ができるので薪は一時的に濡れてもすぐに乾きます。
雨晒しでは、その年の気候によって薪の乾燥状態も変わってくるので、常に目の届くところに置いておいた方が安心です。薪の状態にいち早く気づき、対策すれば薪を腐れせたりすることも無くなるので、子供を見る目で薪を育ててあげてください。
その他にも、割った薪を一時的に雨晒しにすることでアク抜きをしたりする方もいらっしゃいます。私の薪作りでは必ず雨に当たってるので意識しなくてもアク抜きはできているのかなぁなんて思い、あまり重要視はしていません。
HACHI