薪作りには適切な時期があります。時期を間違えると理想的な薪を作ることが出来なかったりするので覚えておきたい知識でもあります。
伐採に適した時期です。この時期に伐採すれば樹木の含水率がグッと下がっているので、薪を乾燥させる期間を短くする事ができます。さらに冬場は空気も乾燥しているので含水率の低い薪はカビや腐食にも強くなります。この時期を逃すと樹木の水分量が上がるため、薪の乾燥に時間がかかったり、良質な薪を作るのが難しくなります。
伐採後にすぐ玉切りすると、その瞬間から木口より乾燥が始まります。そのため、木口が乾燥しすぎると固くなってしまうため薪割りがしにくくなってしまいます。出来る限り玉切りした後は時間を置かずに薪割りをしましょう。
しかし、人によっては少し乾燥した方が割りやすいという事もあります。理論的には未乾燥で木の繊維が密集していないうちの方が割りやすいのですが、自分のタイミングで割っても問題ありません。ただし3月末までには薪割りを済ませておくようにしましょう。
割った薪はすぐに屋根をかけて保管せずに、風雨に晒して乾燥させます。この時期は風と陽の力でグッと乾燥が進みます。たとえ雨に濡れたとしても薪の内部にある水分は割った表面から抜けていきます。さらにこの時期に雨晒しにする事で虫が卵を産み付けにくくなると言われています。
梅雨入り前には薪に屋根をかけます。風通しの良い場所を選び、屋根付きの薪棚に入れても構いません。簡易的にビニールシートをかけるだけでも良いです。上からの雨と、地面の湿気から薪を守りましょう。水に弱いサクラなどの薪は腐り易いですので注意が必要です。この期間にしっかりと乾燥させれば、針葉樹や比重の少ない薪なら11月以降には焚く事ができます。