薪火と暮らしのエッセイ

「イライラして死にたくなる」〜5年間のうつ病の記録〜

 

 

2017年から症状が出始める

 

 

私は建設現場で仕事をしています。建設業は天候に左右されるため、雨の日は休みになったり、仕事が進まなかったり、思うようにいかない事が多々あります。

それでも仕事には工期があるし、工事の完成度にもこだわらないといけません。

私は完璧主義です。いや、完璧主義とはどの程度なのか分かりませんが、自分の思い描いた光景にならなければ納得ができない性分なのです。その性格が結果自分を苦しめてしまっているようで、2017年秋頃から毎朝職場で嘔吐を繰り返していました。

一番苦しかったのは夜に眠れない事です。朝方まで眠れずに仕事に行く事もあり、休日にまとめて睡眠をとるという事をしていました。

胃の痛みも激しく、嘔吐も止まらないため、内科を受診しました。

内科では胃カメラ検査をするも異常はなく、胃腸薬を飲み続けても治らず、内科医から精神科を紹介してもらいました。

 

 

2018年の春から精神科に通い始める

 

 

精神科に通うのは不安でいっぱいでした。
私の父もうつを経験していたのである程度病気に関しては理解のあったものの、父は10年以上も病気に悩まされていたので、私もいつ治るかと不安で仕方がなかったです。

その不安は今でも治りませんが。

 

最初は向精神薬が体に合わずに、過度なイライラや、焦燥感、とにかく体に落ち着きが無かった事を覚えています。

やる気が出たと思って仕事をしても辛くなったり、何もしなくても辛い状態が続きます。

辛い、その一言に尽きます。

 

 

短期的に入院

 

 

短期的に入院しました。自分を抑える事ができず、凶暴的になり、家族に迷惑がかかってしまうからです。

その時に入院した病院で診察した際に、

 

「自殺を考えたことはありますか?」

 

と訊ねられました。

 

「ベルトや靴下で首を絞めた事があります」と答えました。

 

「イライラして死にたくなるんです」

 

すると医者は、

「イライラして死にたくなる病気はこの世に存在するのね。ちゃんとした病気なの。うつ病っていうのね。だから必ず治るから安心して!」

 

私は涙が止まりませんでした。なんでいつもイライラするのか、辛いのか、死にたくなるのか、やっと原因が分かったんです。その時までは病気を病気として理解していませんでした。やっと自分がうつ病だと理解しました。病気なのだと。
そして、この病気は必ず治るのだと。

 

 

 

安定したり、不安定になったり

 

 

精神科では薬が変わると様子を見るために週一回の通院になったり、薬が合って安定したら月一回になったりと完全に治るまでは通い続けなければいけません。

「薬を飲んでいても治らないじゃないか」

と思って、勝手に辞めたりした事もありました。そうすると結果的に症状が悪化してしまいます。絶対に勝手に辞めるべきではないと思いました。

 

2年間会社を休んで今に至ります。今はリハビリ出勤と言って、一日おきに休んだり、早めに退社したりしています。

食事管理と有酸素運動を積極的に行い、常に体に良い事をすることでなんだか気持ちがスッキリするので継続しています。

もちろん体調が悪く、起きているのが辛い時はあります。そんな時は寝ながら映画やYouTubeを見ています。逃げ道が多い時代に生まれてよかったです。

逃げるは恥だが役に立つ(あのドラマは見ていないけど)

 

 

完璧主義には磨きをかけた

 

 

完璧主義を悔やんだこともありました。完璧主義を否定していました。

 

しかし、今では完璧だからこそ自分にしかできないという気持ちでいます。

周囲に迷惑をかけるようでなければ完璧を目指しても良いと思います。だって自分に合わせてたら皆疲れてしまうじゃないですか。

皆がみんな、同じ気持ちにはなれない

 

私はお客さまに提供する品質にはこだわりを持ち続けます。そんな職人になりたいです。
うつと付き合いながら。

 

 

 

薪の屋根
About1993年生まれ宮城県北部在住 焚火や薪ストーブが好きなので、主に薪暮らしのブログを発信しています。 HACHI ...